面接の答え方と評価について
面接では色々な質問をされます。
また、応募者は一人だけ・・・というケースは少ないはずですから、採用担当者はあなた以外の人にも同じような質問をすることになります。
当然何を答えるか、どう答えるかによって評価も分かれてきます。ただ、何をどう答えるか・・・と言う問題の前に大切なことがあります。
それがどんな人間に見えるか・・・ということです。
人は誰かを判断する時に目で見える要素で判断する割合が55%にもなるという法則もあります。
つまり、あなたの5割以上はどう見えるか・・・で判断されてしまうのです。
以前にもご紹介した「メラビアンの法則」を思い出していただきたいと思います。
メラビアンの法則によれば・・・
・目から判断される要因 55%
・耳から判断される要因 38%
・言葉から判断される要因 7%
でした。
つまり、何を言うかという言葉の部分は全体の7%ほどでしかありません。
ですから、まずは見た目が大切なのです。服装や髪型、清潔感、所作(振る舞い)といったことが大切です。
次にどう聞こえるか・・・が大切になってきます。
つまり、声のトーンです。明るい声か、暗い声か、前向きな声か後ろ向きに聞こえるか・・・ということです。
そしてこの記事のポイントである「面接の答え方」という部分で多くの人が気にしている言葉が最後の要因になるわけです。
ただ、この部分は7%の要因でしかありません。大切なのは、どんな表情でどんな声でどのように答えるか・・・だと私は思っています。
勿論、何を話すかを疎かにしていいと言っているわけではありません。
ただ、評価される面接対策のためには、何を話すか以前の部分がまず大切になってきます。
上手に答える必要はない
面接というのは誰もが緊張する場面です。
ある程度の緊張感を持ってのぞむのはある意味当たり前だと思うのです。
私が面接官だったら、緊張もしないでリラックスしている人の方がおかしいと思います。
ですから、そういった緊張する場面で流暢にすらすらと話をしようと思う必要はありません。それはできないと思っていてもいいと思います。
それよりも大切なのは、気持ちの部分です。何を話すかよりもどう話しているかで採用担当者は応募者の誠意を感じたり、共感したりするものです。
私がおすすめするのは上手に話そうとするよりも、一生懸命に話すということです。
それはそういう気持ちがなければできません。上手に話す人よりも一生懸命自分の気持ちを話す人の方が好感を持てるものです。
やってはいけない答え方
会社について聞かれた時、製品について聞かれた時
一番やってはいけないことは、知ったかぶりをしたり、思ってもいないことを言おうとすることです。
例えば、会社の商品について聞かれたとしましょう。
「御社の商品については昔から知っていました。昔ながらの製法を大切にしているという印象を受けました。」
これは実際にあった実例に近いものを紹介しました。
でもこれの何が駄目なのでしょうか?まず、昔から知っているわりには、具体的な感想がありません。これは採用担当者であればすぐにわかってしまうことです。
それに昔ながら・・・と言う表現は使い方にも注意したいものです。昔ながら=古いやり方という風にも捉えることができるからです。
そんな時は、1つ1つ職人の手で丁寧に作り上げるこだわり・・・と言う風にその後に何か付け足すといいでしょう。
この場合は、
「大変勉強不足で申し訳ありません。御社の商品はインターネットやスーパーで拝見した程度の知識しかありません。
ただ、ホームページにあった「会社沿革」を拝見して、ずっと○○○○というブランドを大切に育ててこられたことは分かりました。」
知ったかぶりをするよりも、誠意を持った回答をすることでかえって印象を良くすることができます。
採用担当者は、応募者がその会社の詳しい製品知識を持っているだろう・・・などとは期待していないことが多いかと思います。(募集している職種にもよります)
ただ、自社について少しは調べてきているのか?どれだけ本気なのか?この会社に入りたい気持ちが強いのか?どこでもいいのか?といったことは知りたいはずです。
夢だった、憧れだったという答え方
これは私自身も経験がありますが、自分にとっては夢の業界や憧れの会社の面接を受けることもあるでしょう。
この仕事が自分の夢だ・・・という強い気持ちだけは誰にも負けない・・・という気持ち。私もそうでした。
だから採用されるか、というとそれがそうでもないのです。
例えば、サッカー業界で仕事をしたいと思ったとしましょう。
「私はサッカーが誰よりも好きで、サッカーに関係する仕事に就くことが子供の頃からの夢でした。
ですから、誰にもこの仕事で負ける気がしません。誰よりも強い気持ちがあります。」
という風に答えたとします。
しかし、面接官からすれば、志望動機は分かりますが、実際にこの人が自社でどのような仕事ができるか、どのように会社に貢献できるのかが全く伝わってこないのです。
これでは採用されません。
ですから、熱意を伝えたいのであれば、
「子供の頃から今までずっとサッカーが好きで、将来はクラブチームの運営に関わりたいと思っていました。
前職のイベント会社では、企画から集客までを担当していました。昨年の実績は○○○○○です。
御社ではそういった経験を生かし、○○○○○(チーム名)のファン作りのために力を発揮したいと思っています。」
ただ、好きだ・・・というのではなくて、具体的に何ができるかを伝えることで熱意も生きてくると思います。
マニュアル通りの答え方はNG
中にはマニュアル通りに答える人もいます。
当サイトでも面接の質問事例(事項)や例文一覧など多くの例文であったり事例を紹介していますが、それはあくまでも参考のため。
本番ではあなたの口からあなたの言葉を出すことが大切です。
・努力を惜しまない
・やる気だけは誰にも負けない
・やりがいのある仕事だと思いました
・人と接する仕事が好きです
・・・という風に一般的なことを答えることもできますが、これでは他の差別化ができません。ですから、採用担当者もどうにも評価できないのです。
一般的なことを言うのは悪いことではありません。
ただ、その前後にあなたなりのエピソードであったり、経験が入ってくるといいかも知れません。
そうすることであなただけのストーリーを話すことができますし、説得力も出てきます。
不平不満は言わない
転職面接だったりすると、前職について聞かれることがあります。
何故転職したのですか?上司との関係はどうでしたか?人間関係のトラブルもあったでしょう?転職回数が多いですね、何故です?という風に。
「実は、前の上司が殆どの社員から嫌われる人で、私もその人のいじめにあっていました。それで辞めざるを得なかったのです。」
と答えたとしましょう。
もしそれが本当のことだったとしても、悪口であったり不平不満を口にしない方が良いです。
何故なら、この会社に入っても、この人はまた不平不満を言い出すのではないか?すぐにやめてしまうのではないか?と思われるからです。
また、不平不満を言っている人から前向きなイメージって沸いてきません。それは面接では大きなダメージになります。
志望動機の答え方
「自分にあっている」「人の役に立つ仕事がしたかった」「将来性がある」
よく面接の場で、志望動機を聞かれた際に「社風が自分にあっている」とか「自分がやりたかった仕事」という風に答える人がいます。
これはNGなのですが、何故駄目なのでしょう?
まず、「自分に合っている」かどうかは実際に仕事をしてみなければ分からないことです。
また、選び方が仕事を選ぶというよりも、何か趣味のサークル探しのように聞こえてしまいます。
会社が知りたいのは応募者が会社に対して何ができるか?です。好きだから、合っているから・・・というのは理由にはならないのです。
「人の役に立つ仕事がしたかった」という表現もよく言われることです。
しかし、この答え方には具体性が何もありませんから、会社としてもその言葉で採用しましょうとは言えません。
また、人の役に立つ仕事なら何でもいいのではないか・・・と思われてしまうかも知れません。
「将来性がある」・・・これも志望動機としては一般的です。
ただ、これにも具体性がありません。その会社のどの部分に将来性を感じたのかを言えなければなりません。
また、その部分に対して自分は何ができるのか?も大切なところです。
ただ、私個人的には「将来性がある」という志望動機はいずれにしても避けた方が無難だと思います。
もし会社に何かあったら(将来性がないと判断したら)すぐに辞めていってしまうのではないか・・・と思われるからです。
面接官が言ったことを否定しない
これも答え方としてはやってはいけないことの1つです。
面接では圧迫面接というテクニックがあります。これはわざと意地悪な質問を応募者にぶつけることでその人の反応を見るために使います。
例えば、
「転職回数が多いね。やる気が続かないんじゃないの?」
という意地悪な質問をされたとしましょう。この場合
「いいえ。やる気は関係ありません。転職の回数が多くても、それだけ経験を積んでこれたことはよかったと思っています。」
と答えるよりも、
「はい。ご指摘の通り転職の回数は多いと思います。
しかしながら、私は一貫して営業職に誇りを持ってやって参りました。
業界は違いますが、それぞれの業界なりのやり方が違い勉強になった部分も多くあります。
そういった経験を生かして御社に貢献したいと思っております。」
と答えると好印象です。
採用担当が言ったことに対して否定してきたり、反論してくる人は、会社でも同じことをすると判断されてしまうかも知れません。
また、そういう風に反論してしまうと、それが前職を退職した本当の理由ではないかと思われてしまうのです。
自分の実績をアピールする時は
職務経歴などを話す機会もあると思います。
そこで自分の実績を話すことも大切なことです。
ただ、そういう時はその応募している職種に関係するであろう実績を答えた方がいいかと思います。
採用担当者はその人がこの会社に何をどのように貢献してくれるかが知りたいからです。
ですので、その応募している職種に全く関係のない実績に関しては話さない方が得策です。
また、実績をアピールする際は数値であったり、何か具体的にやってきたことを伝えることができるといいと思います。